その昔、燐堂一族は一匹の物の怪によって邪悪な呪いをかけられてしまう。それは、『男児がまったく産まれなくなる』というものだった。呪いを回避するためには、三代ごとに霊力の強い一族の娘と子供をもうけなければならない――――以降、燐堂家は緋月家を家臣として重用するようになり、三代に一度、緋月家と血を交える役目を負った燐堂家の嫡子は「継承者」と呼ばれるようになった…。時は流れ、現代の燐堂の継承者となった直人。忌まわしい定めを越えて愛を誓っていた彼の許婚・緋月鈴音は、だが不慮の事故で…。